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SI&CのCMMI活用アプローチ

当ページでは、SI&CのCMMI活用アプローチの詳細をご説明します。

1. SI&Cの考えるCMMIの価値

SI&Cの考えるCMMIの価値

自分達のやり方と優れた組織で実践している事をまとめたCMMIを比較・見直しを行い改善サイクルを起動する。

1-1. CMMIは優れた組織で行われていることをまとめたもの

変化の激しい時代、組織が高品質の製品とサービスを提供し続けるためには、優れたプロセスの構築と、その後のたゆまぬ改善が不可欠です。
自分達の問題点を洗い出し、その原因を追究し、改善することはどの組織でも多かれ少なかれ実施しています。しかし、そのやり方は個人の勘や経験、力量に依存しているため、問題定義や原因追究は必ずしも十分でなく、それらに基づいて策定した改善策の効果もまた不十分というケースが多いのではないでしょうか。
CMMIはカーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所(SEI)の開発した、プロセス改善モデルです。SEIは多くの成功した組織やプロジェクトの事例を収集、分析、整理し、優れた組織では何が行われているかを「プラクティス」としてCMMIにまとめました。
この「プラクティス」を参照することで、広い視野を保つことができるようになり、適切な問題定義と、より深い原因追究か可能になります。

1-2. CMMIは行動変革、能力向上のモデル

CMMIは一般的にはプロセス改善のモデルと言われていますが、行動変革(Behavior Change)のモデル、能力向上(Capability Improvement)のモデルとも呼ばれます。プロセス改善は必ず、人や組織の行動変革を伴います。またその行動変革は人と組織の能力向上に繋がらなければ意味がありません。そう考えますと、CMMIは単なる「プロセス改善のモデル」にとどまらず、「行動変革及び能力向上のモデル」として活用されるべきだとSI&Cは考えます。

1-3. 自分達のやり方をCMMIと比較することで改善サイクルが起動される

自分や組織の仕事のやり方をCMMIの定義するプラクティスと比較することで、今まで気がつかなかった自組織の弱みが明らかになり、改善に繋がる新たな課題が特定されます。また今まで見落としていた問題やその原因が明らかになり、適切な解決策を導くことが可能になります。
また反対に、優れたことを行っているにも関わらず、自分達ではそれが当たり前になっているため、それに気がつかないこともあります。自分達のやり方をCMMIのプラクティスと比較することで、その優れた点が明るみになり、組織の中で共有しようとする動きが生まれます。
このように、CMMIを適用すると、弱みを補い、強みを組織全体へ展開する活動が促進され、結果として組織の能力を高めることができるのです。

2. SI&Cの推奨するCMMIを活用した改善アプローチ

SI&Cの推奨するCMMIを活用した改善アプローチ

CMMIプラクティスに自分達のやり方を結び付け実施していない事項を組み込み実践する。

2-1. 落とし穴・・・焼畑農業(Slash and Burn)的アプローチ

CMMIに限ったことではありませんが、何らかのフレームワークを使用して改善を行う際に、多くの組織で陥る落とし穴があります。それは、今までの自分達のやり方を全て捨てて、フレームワークに書いてあることや、コンサルタントが提供した標準プロセスやガイドで、置き換えるというものです。
プロセス改善のコンサルタントであるマイケル・ウェスト氏は、彼の著書の「Real Process Improvement Using the CMMI」の中で、このようなやり方を「焼畑農業(Slash and Burn)」アプローチと呼んでいます。
これを土と植物に例えてご説明しましょう。それぞれの土地は異なる「土壌」を持ち、「土壌」にはそれに適した豊かな植生があります。もしある土地で育った植物をそのまま他の土地に移植したら何か起きるでしょうか。多くの植物は環境に適応できずに枯れてしまいます。組織とプロセスの関係もこれと同じではないでしょうか。組織は独自の文化や背景(Context)を持ちますがそれが「土壌」に当たります。どの組織も自分達のプロセスやガイドを持ちますがそれらが「植物」に当たります。コンサルタントが自分達のやり方を元に作成した標準プロセスやガイド、テンプレートを、お客様がそっくりそのまま展開した結果、私たちは何を目撃するでしょう。それは「v1.0初版発行」という文字だけが最初の一行にあり、それ以外は真っ白の改訂履歴が付いている、誰にも使われたことのない標準やガイドの山です。つまり、枯れて果てた植物の残骸です。

2-2. 自組織の資産を育てながら弱みを補うアプローチ (SI&C推奨)

先ほど述べたようにCMMIは優れた組織やプロジェクトが何を実施しているかをモデル化したものです。“モデル”ですので、様々な組織で参考になるように、表現は抽象化され、何をすべきか(What to do)が記述されています。
一方でどんな組織も自分達のやり方(How to do)を持っています。その中には、組織文化、仕事の特性、長年の経験など様々な背景をベースに最適化されたやり方が多数含まれています。
前述のマイケル・ウェスト氏は同じ著書で「焼畑農業(Slash and Burn)」の対極にあるアプローチを「除草と育成による自然なプロセス改善アプローチ(Natural Process Improvement through Weeding and Nurturing)」と呼んでいます。SI&Cはこのアプローチを強く推奨します。具体的な進め方は次の通りです。
まずはCMMIのプラクティス(What to do)に、自分達のやり方(How to do)を結び付けて比較します。もし実施していないWhatがあれば新たに追加してみてください。実施はしていても何らかの弱みが見つかれば改善策を考えてみてください。もし強みが見つかれば、どうすればそのメリットを全組織で享受できるか考えてみてください。全部一度に行う必要はありません。投資対効果の高いものから順に、優先順位をつけて実施してください。

【補足】CMMIの高い親和性
CMMIは他のフレームワーク、認証、方法論等と高い親和性を持ちます。例えば、品質マネジメントシステムに関する国際規格ISO9001とCMMIの両方を適用することにより、多くの組織が品質と生産性の向上を達成しています。 CMMIはアジャイル開発などの新しい開発手法とも親和性が高く、例えば2015年にCMMIのアプレイザルを受けた組織のうち70%を超える組織が、スクラム等のアジャイル開発のアプローチを適用しています。CMMI InstituteはCMMIのアジャイル開発への適用事例をまとめ、2017年に「A Guide to Scrum and CMMI- Improving Agile Performance with CMMI 」を発行しました。当ガイドにはCMMIを用いてアジャイル開発のパフォーマンスを向上させ、その成果を組織全体に拡大するためのヒントが豊富に含まれています。 また、ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティスをまとめた書籍群であるITILと、CMMIの両方を適用している組織も多く存在します。例えばITILをベースに作成したプロセスに対してCMMIのプラクティスを適用することで、現場への更なる浸透・定着と、組織全体への横展開を実現しています。 これらのことは、SI&Cの推奨するアプローチの有効性を裏付けています。

2-3. CMMI使用上の注意・・・参考情報を“要求事項”と誤解しないで

CMMIを使用する際に一点注意していただきたいことがあります。先ほどCMMIはWhat to doが記述してあると申し上げましたが、実際にCMMIの文書を読んだ方はお分かりのように、そこには単なるWhatを超えた豊富な情報が含まれています。これらは「プラクティス」の意図を理解し、改善や解決策のヒントを得るために大変重要な情報です。しかしながらその全てを実施しなければならないと考えるのは間違いです。
CMMIで定義する“実施すべきこと(What to do)”は、CMMI V1.3では「ゴール記述」及び「プラクティス記述」と呼ばれる部分に書いてあることのみです。(CMMI V1.3の文書では背景がグレーになっている部分)それ以外の全ての情報は、参考情報あるいは例であり、自組織の特性や状況に合わせて取捨選択し解釈する必要があります。特にCMMIの成熟度レベルの達成を目指しているお客様の中には、CMMIに記述されていることは全て実施しなければ成熟度レベルを達成できないと勘違いし、膨大な量の標準文書を苦労して作成している方々もいらっしゃいました。
一方CMMI V2.0では、実施が必要な部分は、「必要情報(Required Information)」「PA必要情報(Required PA Information)」「プラクティス必要情報(Required Practice Information)」と明記され、V1.3以前のような誤解が生じないように改善されています。
V1.3あるいはV2.0のいずれを使用する場合も、CMMIの使い方を正しく理解するためには、CMMI Instituteの認定インストラクターが提供するCMMI入門コースを受講していただくのが一番の近道です。もし時間が無くて受講が難しいという方は、少なくともここで述べたことだけは理解しておいてください。もしこれだけでは理解が難しいと感じましたら弊社コンサルタントへお声掛けください。CMMIの基本的な使用方法についてご説明いたします。

3. 3つのモデルが統合されたCMMI V2.0が様々な組織の行動変革・能力向上を支援

三種類のCMMIが様々な組織の行動変革・能力向上を支援

CMMI V2.0の提供する3種類のビューを活用し、様々なニーズ・環境に対応

CMMI V2.0には3種類のビューが用意されています。組織の特性やニーズに合わせて最適なビューを一つ選択するか、複数のビューを組み合わせて使用することで、様々な業界のシステム開発やサービス提供組織で適用可能です。

CMMIモデル

CMMI-DEV、CMMI-SVC、CMMI-SPMの組み合せの例(ソフトウェア開発の例)

CMMIモデル

4. SI&Cの目指すコンサルティング

SI&Cの目指すコンサルティング

SI&Cの目指すCMMI/APHコンサルティングは次の通りです。

お客様の理解から始める

お客様の悩みを傾聴し、問題や課題を理解し、一緒に考えることから始めます。

お客様自身で改善できるようにする

お客様自身が問題や課題を特定し、改善策を導き出せるようにご支援します。リードアプレイザーやコンサルタントはファシリテーターとしての役割を担います。

柔軟なサービスを提供する

お客様にCMMIを活用した改善方法をご理解いただき、自分達で改善のサイクルを回すことができるようなるまでの比較的短期間のご支援から、CMMIの成熟度レベル達成を目指した長期間のご支援まで、お客様のご要望に合わせた柔軟なサービスを提供いたします。

(補足)CMMIに関する追加情報

CMMI V2.0の成熟度レベルの定義

全組織向けCMMIフル活用コンサルティングサービス

CMMI V2.0のプラクティス領域の意図と価値のまとめ

Category Capability Area Practice Area 名称 意図 価値
Managing PMW EST 見積もり ソリューションの開発、取得、または提供に必要となる、作業と資源の規模、工数、期間、および費用を見積もる。 見積もりは、コミットメントの形成、計画の策定、および不確実性の低減に向けた基盤を提供し、早い段階での是正処置を可能にするとともに、目標達成の見込みを高める。
Managing PMW PLAN 計画 組織の標準と制約の中で、作業を達成するために何が必要かを記述する計画を作成し、以下を含める:
• 予算
• スケジュール
• 資源の需要、キャパシティ、および可用性
• 品質
• 機能性の要件
• リスクと機会
計画は、以下も記述する:
• 実施される作業
• 適用される、組織の標準プロセス群の集合、資産、およびテーラリング指針
• 依存関係
• 作業を実施する担当者
• 他の計画との関係性
• 利害関係者とその役割
費用、機能性、および品質を最適化することで、目標を達成する可能性を高める。
Managing PMW MC 監視と制御 実績が計画より著しく逸脱する場合には、適切な是正処置がとれるようにプロジェクトの進捗を理解できるようにする。 実績が著しく逸脱した場合には早めに処置を行い、目標達成の可能性を高める。
Managing MBR RSK リスクと機会の管理 潜在しているリスクまたは可能性のある機会を特定し、記録し、分析して、管理する。 目標達成の可能性を高めるために、良くない方向への影響を軽減するか、または良い方向への影響を活用する。
Managing MBR IRP (SVC) インシデントの解決と予防 迅速に混乱を解決し予防することで、サービス提供レベルを維持する。 目標と顧客へのコミットメントをより効果的に満たすため、混乱の影響を最小限に抑える。
Managing NBR CONT (SVC) 継続 業務を継続または再開できるように、事業運営上の重大な混乱に対する軽減活動を計画する。 深刻な混乱や壊滅的な出来事が発生した場合でも、運営を継続できるようにする。
Managing MWF OT 組織トレーニング 人員にスキルと知識を身につけさせ、役割を効率的かつ効果的に遂行できるようにする。 組織の作業実績を改善するために、個人のスキルと知識を高める。
Enabling SI CAR 原因分析と解決  選定された実施結果の原因を特定し、望ましくない実施結果の再発を予防するか、好ましい実施結果が繰り返されるようにする。 根本原因となる課題に対処することで、手戻りを取り除き品質と生産性を直接向上させる。
Enabling SI DAR 決定分析と解決 選択肢を分析する記録されたプロセスを使用して、決定を行い記録に残す。 意思決定の客観性を高めて、最適なソリューションを選定する確率を高める。
Enabling SI CM 構成管理 構成の特定、バージョン管理、変更管理、および監査を用いて、作業成果物の一貫性を管理する。 作業の損失を低減し、正しいバージョンのソリューションを顧客に提供する能力を高める。
Doing EDP TS (DEV) 技術ソリューション 顧客要件を満たすソリューションを設計して構築する。 顧客要件を満たし手戻りを減らす費用対効果の高い設計とソリューションを提供する。
Doing EDP PI (DEV) 成果物統合 機能性と品質に対する要件を取り上げるソリューションを統合し、納入する。 機能性と品質に対する要件を満たすか、それを超えるソリューションを顧客に提供することで、顧客の満足度を高める。
Doing DMS SDM (SVC) サービス提供管理 サービスを提供し、サービス提供システムを管理する。 顧客の期待を満たすか、それを超えるサービスを提供することで、顧客の満足度を高める。
Doing DMS STSM (SVC) 戦略的サービス管理 戦略的な事業ニーズと計画に適合した標準サービス群を開発し、展開する。 標準サービス群を顧客のニーズと整合させることで、事業目標を達成する可能性を高める。
Doing SMS SSS (SPM) 供給者選定 供給者候補から提案を求めるために使用する資料一式を作成し、最新に保ち、そしてソリューションを納入する一つ以上の供給者を選定する。 最も適格な供給者を選定する能力を向上させ、ソリューションを納入させる。
Doing SMS SAM (SPM) 供給者合意管理 選定された供給者との合意を確立し、供給者と取得者が合意に書かれた条項に従って確実に実行し、供給者納入物を確実に評価する。 取得者と供給者との間で明示的な理解を形成し、供給者納入物を納入するための合意済みの取り組みの成功を最大限に高める。
Doing ENQ RDM 要件の開発と管理 要件を引き出し、利害関係者が共通の理解を確実に持つようにし、要件、計画、および作業成果物を整合させる。 顧客のニーズと期待が満たされることを確保する。
Doing ENQ VV 検証と妥当性確認 検証と妥当性確認には以下の活動が含まれる:
• 選定されたソリューションと構成要素がそれぞれの要件を満たすことを確認する
• 選定されたソリューションと構成要素がそれぞれの対象環境にて意図した用途を実現し
ていることを実証する
プロジェクトの全体を通して選定されたソリューションと構成要素の検証と妥当性確認を行うことで、ソリューションが顧客を満足させる可能性を高める。
Doing ENQ PR ピアレビュー 製作者の同僚または内容領域専門家によるレビューを通して、作業成果物における課題を特定し対処する。 課題や欠陥を早期に発見することで、費用と手戻りを削減する。
Doing ENQ PQA プロセス品質保証 実施されたプロセスと、その結果である作業成果物の品質を検証し、品質の改善を実現可能にする。 プロセスの首尾一貫した使用と改善を拡大することで、事業の利益と顧客満足度を最大限に高める。
Improving IMP MPM 実績と測定の管理 事業目標を達成するため、測定と分析を使用して実績を管理する。 費用、スケジュール、および品質の実績に管理と改善の取り組みを集中させることで、事業上の投資収益率を最大にする。
Improving IMP PCM プロセス管理 以下の目的で、プロセスとインフラの継続的な改善を管理し、実装する:
• 事業目標達成の支援
• 最も有益なプロセス改善策の特定と実装
• プロセス改善の結果を可視化し、アクセス可能とし、持続可能とする
プロセス、インフラおよびこれらの改善が、事業目標の達成に確実に貢献するようにする
Improving IMP PAD プロセス資産開発 作業実施に必要なプロセス資産を開発し、最新に保つ。 成功実績を理解し、繰り返せる能力を提供する。
Improving SHP GOV 統治 プロセス活動におけるスポンサーシップと統治の役割について上級管理層へ手引きを提供する。 プロセス実装の費用を最小限に留め、目標達成の可能性を高め、実装されたプロセスが事業の成功を支援しそれに寄与するようにする。
Improving SHP II 実装のインフラ 組織にとって重要なプロセスが、習慣的かつ持続的に用いられ改善されるようにする。 ゴールと目標を首尾一貫して効率的かつ効果的に達成する能力を持続する。

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