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CMMI&アジャイルコンサルタント

ブログ開始のご挨拶とCMMIのご紹介

当ブログの「プロダクトゴール」と「プロダクトバックログアイテム」

当ブログの「プロダクトゴール」と「プロダクトバックログアイテム」

システム情報、CMMIコンサルティング室の小林浩と申します。
今月からブログを始めました。月に一回程度で、無理なく長く続けていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

プロフィール 小林浩

1.プロローグ
 ブログを開始するにあたり名前をどうしようかと悩みましたが、「CMMI&アジャイルコンサルタントのブログ」にしました。理由は単純で、CMMIとアジャイルの両方とも好きだからです。
 ここで突然の告白ですが、実は私は昔、CMMIが嫌いでした。面倒なことをやらされたり、意味の無いドキュメントをたくさん書かされたりするイメージがあったからです。
しかしCMMIを学ぶにつれて、私はCMMIを誤解していたことに気が付きました。今ではCMMIは、私が忘れていることを思い出させてくれたり、何か困ったときに助けてくれたりする良い相棒あるいは師匠です。
 一方、アジャイルに関しては、「アジャイルソフトウェア開発宣言その背後にある12の原則」を読んで一目ぼれしました。
「そうそうこれこれ、こういう風に仕事をしたい!」と思ったのです。
 そのようなこともあり私は、CMMIにあまり良い印象を持っていない人や、CMMIはアジャイルとは相容れないものだと思っている人の気持ちが分かります。
だからこそアジャイルを実践している方々にもCMMIの良さを知って使っていただき、改善のヒントを得ていただきたいと思うのです。

 当ブログではCMMIやアジャイルについてはもちろんですが、それに限らず、組織の能力向上に関して幅広いテーマでお送りしたいと思います。

CMMIとは_01

 

2.ブログを始めるにあたって
 当ブログについて、Why, What, Whenの観点で整理してみました。

(1) 何のために書くのか? (Why)
 当ブログを書く目的は何でしょう?「会社やコンサルティングサービスの宣伝ですよね」確かにそれも大事ですが、せっかくなので高尚な目的を考えてみました。
「組織の能力向上に役立つ情報を提供し、日本の会社を元気にする」
いかがでしょうか?アジャイルのフレームワークの一つであるスクラムで言えば、これは私のブログの「プロダクトゴール」です。このゴールを達成するまでスプリントは繰り返されます。(「プロダクトゴール」としては大きすぎて、「プロダクトビジョン」と呼ぶべきかもしれません。表現は今後進めるうちに変更するかもしれません。)

(2) 何を書くのか?(What)
 ブログの名前に”CMMI”と”アジャイル“入ってますので、もちろんそれらにも触れますが、それ以外にも幅広いテーマでお届けします。今のところ以下のようなテーマを考えています。

  • ブログ開始のご挨拶とCMMIのご紹介 【今回】
  • CMMIの成熟度 ※次回予定
  • CMMIのプラクティスと適用効果
  • CMMIとアジャイル、APH
  • CMMIの効果的な使い方
  • SE4BSのご紹介
  • 匠Methodのご紹介
  • アジャイル・スクラムの学び方
  • アジャイル品質パターン QA2AQのご紹介
  • アジャイルのフレームワークやツールキット(SAFeやDA)の紹介とCMMIの関連
  • GQM+Strategiesの概要、CMMIとの関連、匠Methodとの関連
  • SEMAT

上記のリストは、スクラムの「プロダクトバックログアイテム」のつもりで書きました。上から順にリリースする予定ですが、今は仮の順番で、仮のタイトルです。直近の2~3個のアイテムの内容はある程度決まっていますが、それ以降のアイテムは今後どうなるか分かりません。皆様からのご要望やフィードバック、会社からの要請、プロダクトオーナーの意志(つまり私の気分)に応じて随時更新していきます。(つまり「プロダクトバックログのリファインメント」を行います。)

(3) リリースタイミング (When)
 基本的には月に一回と考えています。(スクラムで言うと、スプリント期間は1ヵ月です。)しかしながら、準備が整えば月に一回というペースに拘らず、より頻繁にリリースするかもしれません。実はこの考えは、スクラムガイド(2020年11月版)の次の記述に従っています。
「スプリント終了前にインクリメントをステークホルダーにデリバリーする可能性もある。スプリントレビューのことを価値をリリースするための関門と見なすべきではない。」

3.CMMIのご紹介
 今回は、残りのスペースで “CMMI”についてご紹介します。
 CMMI(Capability Maturity Model Integration:能力度成熟度モデル統合)は、日本を含め世界中で広く活用されている組織ケーパビリティ向上のためのモデルです。米国カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所(SEI)により開発され、今ではISACAが引き継いで維持・拡張しています。CMMIは長年、開発(CMMI-DEV)、サービス(CMMI-SVC)と供給者管理(CMMI-SPM)の領域をカバーしてきました。しかし近年は、セーフティ(CMMI-SAF)、セキュリティ(CMMI-SEC)の領域を含んでいます。更に、最近2023年4月にリリースされた最新バージョンのCMMI V3.0では、データ管理(CMMI-Data)、人材管理(CMMI-People)、バーチャル環境でのデリバリー(CMMI-Virtual)の領域をカバーするように拡張されました。
 特にCMMI-DEVは主にソフトウェア開発の分野で有名で、最も歴史があり広く活用されています。皆様の中でも、CMMIと言えばソフトウェア開発専用のモデルと思っていた方も多いのではないでしょうか。
 さて、端的に言うとCMMIは一体何なのでしょうか。私はいつも、お客様に次のように説明しています。

 「CMMIとは、SEI(前述)が世界中の成功している組織やプロジェクトが何を実施しているか(What to do)を分析し、体系化したものです。」

 CMMIではそのWhat to doをプラクティスと呼んでいます。ユーザーはCMMIのプラクティスと、自分達の仕事のやり方(プロセス)を比較し、そのギャップを認識することで、改善の機会を見つけることができます。つまりCMMIは、自分達のやり方を優れた組織のやり方と比較して、改善点を知るためのベンチマークのためのモデルです。
 CMMIは幅広い分野をカバーしているため、ユーザーは広い視野を保ち、問題やリスクの特定漏れの防止や、問題に対してより深い原因追究が可能になります。また、プラクティスの意図の理解を深めるのに役立つ解説情報や、活動や成果物の例が充実しており、改善のための多くのヒントを教えてくれます。(参考書みたいなものですね。)
 更にCMMIでは、組織を段階的に成熟させることができるように、5段階の成熟度を定義しています。そのためCMMIのユーザーは全てのプラクティスを一度に参照する必要はありません。課題の重要度や目指す成熟度レベルに合わせて、優先順位を付けて改善に取り組むことが可能です。
 詳細については、こちらのページで詳しくご紹介していますので、興味のある方はご参照ください。

CMMIとは_02

 

4.CMMIに関する誤解
 ところでCMMIは大企業向けとか、従来型のウォータフォール開発向けと思っている方はいらっしゃいませんか。実は世界でCMMIの成熟度レベルを達成している企業の7割強は、従業員が50人以下です(CMMIパフォーマンスレポート参照)。またCMMIはウォータフォールでもアジャイルでも、開発のアプローチや手法に拠らず適用可能で、事例もたくさんあります。今後のブログでCMMIとアジャイルの関係についても述べたいと思っています。

5.CMMIを使うと何が嬉しいの?
 色々ありますが、私自身の経験から1つだけ挙げさせていただくと、
CMMIは「やり方は色々あるけれど、結局何ができていればいいの?」という問いに答えてくれる。
ことです。一般的に、方法論やフレームワークは「やり方」も教えてくれる半面、情報量が多くなりがちです。そのため全部を読むのは大変ですし、細かいところに目がいってしまい、やるべきことの全体像を見失ったりポイントを掴むのが難しかったりするかもしれません。
 前述の通りCMMIは「何をすべきか」に焦点を当てているので、CMMIを理解することで、開発やサービス提供でやるべきことの全体像を頭に置きながら、何ができていればいいのかのポイントを常に意識することができます。
そのような視点を与えてくれたCMMIは、私にとっての師匠であり、成長の機会をくれた恩人です。CMMIの適用メリットについては、第3回のブログでより具体的に述べたいと思っています。

 初回のブログはいかがでしたでしょうか。皆様からのご意見や感想を頂けると嬉しいです。次回はCMMIの定義する5段階の成熟度についてご説明いたします。

CMMIについて更に知りたい人は、当社のWebサイトにより詳細な説明があるのでご参照ください。

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